「カマシア」:童話/月乃助
 
、人の言葉が話せるなら、きっと、「だいじょうぶ。どうかした?」って、そんな声をかけるに違いありません。なのに花の言葉は人には、どうしてかとどかないのです。
 それでも、人が花たちの前に足を止めるのは、そんな花たちの気持ちが少し人に通じているのかもしれません。花の喜びや、うれしさ、日の中での気持ちのよさが人にもわかるのかと思ったりします。
 女の子は、なみだをふこうともしないで、じっと、花たちを見ています。
 カマシアたちは、今では、みなその子の悲しさを感じてしまい苦しいほどです。
 どうしよう。だいじょうぶかしら、あの子。きっと、何か悲しいことがあったんだろ。そんなささやき声があちこちから
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