「カマシア」:童話/月乃助
 
きゅうなお客さんにとまどってしまったのは、その子が、じっとみんなの中でうつむいているからです。だれでも、花たちを目にすると、足をとめ、ため息をついてきれいだといってくれるのに、その女の子には、そんなそぶりもありません。
 だから、花たちはただじっと、その子を見つめていました。
 にぎやかな音楽の音は、森の向こうからまだ聞こえてきます。
 つめたい、なに。
 女の子の足もとにさくカマシアが言いました。それは、どうやら女の子の落としたものです。
 つっと、顔を上げた女の子のほおになみだがあります。
 花たちは、それだからなおさら今では、女の子のことがしんぱいになってしまいました。もしも、人
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