アメリカンマシンガン&アフリカン/影山影司
 
ざとぎざぎざに裂いて、少し得なほうを弟に渡した。パンを細かくちぎって、スープにつけてから噛む。
「国連軍が空からやって来て、僕達の家に爆弾を落としたんだ。父さんと母さんと妹が死んでしまってから、僕と弟はこうやって暮らしている」
 今日の昼は、店の周りの掃除をしていたのだ、と言う。子供にできる仕事なんて高が知れているし、大人達も仕事が無くて喘いでいるのだ。「腹いっぱい食べたいね」と黙りがちな弟がパンを頬張りながら言う。
「昨日から何も食べてないんだ。昨日は、仕事が無かったから」
「もう一個、パンを食え。僕はお腹一杯だからもういい」
 カタテナシは自分のパンをさらに半分にちぎって弟に渡した。
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