愛の詩人・上手宰と「冊」の詩人からの伝言/服部 剛
 
それは時に暗闇があればこそ、
光の欠片を両手に受け取れる・・・それを幸
福と呼ぶのかもしれない。  


  妻の笑顔は
  遠い星からの光と
  同じ舟に揺られてやってきて
  僕の目に宿る
  僕はいつも無知な優しさで
  その光が自分に
  たどり着いた瞬間を抱きしめる 


 上手宰という優れた詩人のメッセージを受
け取った読者は、今迄何でもないと思ってい
た日常の、(目の前にいる誰か)の瞳の内に
または(愛するひと)の瞳の内に遥かな遠い
過去に瞬く星の光を見るだろう。そして詩人
は、時に哀しい暗雲に覆われた世界を捉え直
し、詩人の視力
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