愛の詩人・上手宰と「冊」の詩人からの伝言/服部 剛
 
たが
  私たちの間にも宇宙のような闇が
  必要なのかもしれぬ


 私達がふと見上げる夜空の星に、遥か
遠い過去の光を見ているということを思
うだけで、とても不思議な気持になるが、
その遥かな場所に瞬く星を、身近な妻の
瞳の内に見出すところに上手宰さんの詩
人としての視力があり、遠い星のように
傍らの妻を見つめる時、いつも当たり前
のようにいる妻が、とても愛しい、大切
な存在に思えるのであろう。そして、私
達が暮らす平凡な日常さえも、目の前の
場面にいる誰かさえも、実は「遥かな星」
のようにとても愛しい、大切な存在では
ないかと「光の旅」という作品で、詩人
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