誰が豚かを決めるのは俺だ/花形新次
 
床に転がり落ちることになる。
 「分かるな?」彼は静かに言った。
 「ああ分かった。」
 「分かったら次はメールを開け。」
 「メールを開いてどうする?」
 「いいからメールを開いて俺の言うとおり 文章を打ち込むんだ。」
 男は彼が何故こんなことを自分にやらせようとしているのか皆目見当がつかなかった。
 「何を打ち込むんだ?」
 「今までの人生でオマエがやった最も悪いことを書け。
  そしてその悪事について懺悔しろ。」
 「悪事っていわれても…。」
 「ないことはない。どんな些細なことでもいい。そのかわり誠心誠意懺悔するんだ。」
 「些細なことなのに?」
 「そうだ。」
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