「赤い城 黒い砂」/猫のひたい撫でるたま子
 
に恋をして逃げた先の地上の光で失明してしまい、また真っ暗い洞穴に父親の歪んだ愛情から閉じ込められるうちに、自分を慰みものにした同国の兵士たちに呪いをかける場面。

9.11が起きたとき、しいたげ続けられた人達の呪いが爆発したんだという沖縄出身の年上の言葉を思った


一番汚れないのは最後に滅びゆく一国の姫さま。個人的な愛を知ってしまう以前に、民衆をまとめて旗を上げなくてはならなくなる立場の人。しかし、彼女が個人的な愛欲を知っていたなら敵国の戦士と共に死んだと思う。

恋愛(と呼ばれるものと執着心とは私には判断がつかない)を持たないものだけしか強くいられない。しかし、戦下という状
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