「赤い城 黒い砂」/猫のひたい撫でるたま子
う状況や年齢的なものでしか実現しにくいから現代人には公平になれる政治的リーダーがいないのかもしれない。
裕福ゆえ、ポケットにお札を入れることを知らなかったことに傷ついてしまった純情だった少年は、愛する妻の喪失感から暇つぶしのように殺戮兵器を買ってしまう国王すら愛おしく見える世界、争いは絶えず繰り返される不平等を平等に描く世界の縮図を見せてくれた。
泣くぐらい感動したのは久しぶりだった。
ーこれからもあなたが求めるものほど失われてゆくだろうー
これは大好きな吉井和哉さんの言葉
追いかけたいものほど気持ちの分量の分だけしっかり離れてゆく
言葉は常にうまくまわらず、だからこそ考えてしまう
お月さまが美しいのはいったことがないところだから
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