文法について/パンの愛人
 
ない。いずれにしろ、すでに評価の安定したひとたちであることにちがいはない。ようするに、私が言いたいのは、体系化された文法に依拠することが権威主義であるならば、古典的な大作家を例に持ち出してくるのも、同様に権威主義であるということだ。また、その文法体系が流動的かつ限定的だと指摘するのを批判の根拠にすることも、けっきょくは同じ権威主義の威光を借りているにすぎないと思う。



 もっとも、私も日本が流動的かどうかを実証するだけの知識を持ち合わせていない。
 睡蓮「文法に関する個人的かつ不完全な覚書」(http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=181371&
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