短歌の音楽性と政治性 山田氏に応えて/非在の虹
 
べ」の重視をうったえる。
山田氏は『「調べ」とか言う独自の概念』と言っているが、独自の概念ではさらさらない。

近代、現代短歌とも、まことに論争が多かったのだが、そのなかですでに盛んに言われて来てもはや「短歌用語」である。
もちろん王朝の昔も歌の可否について言われるコトバでもあった。

ここで、少し「調べ」について言いたい。
僕は前に書いたようにむしろ「音楽」と呼びたいのだが、それは韻、律だけではない。
語の切れ方、語音数、母音、子音のならび、それらすべてが総合されて一首の中で奏でられる。
それが調べであり、音楽だ。

それが「個人のポエジー」を「人々のポエジー」に変換する動
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