短歌の音楽性と政治性 山田氏に応えて/非在の虹
 
の存続とはなにか、であり、文法というまさに制度の政治性として、考えることができよう。
ここに詩の自由の論理という問題も生まれる。
さきに言ったように、天皇制というまことに特異な権力構造がからむゆえに、こと歌の方法論に恣意的な圧力は入りやすい。長らく芸術家もまた、権力にすがって生きてきたのだから。嫌な言い方であるが、お先棒を担いだのは、紀貫之しかり、藤原定家しかり。
近代になってから、この問題はあらためて浮上し、そして今も短歌というこの保守性の入り込みやすい詩形では、問題となると確信している。

また山田氏は、
「詩の形式として短歌だけが古来から生き延びているとか言う与太についてはじゃあ
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