短歌の音楽性と政治性 山田氏に応えて/非在の虹
身も「短歌とは」など念頭から離れ、心は詩の自由の論理という問題に向かって行った、と白状しておこう。
さて山田氏は、あたかも
「春庭(江戸後期)以前には文法がない」
と僕が言っているように反論しているが、よく読んでいただきたい。そのようなヨマイゴトは決して言ってない。
当たり前の話ではないか。コトバはあるが文法がない民族なぞ、ボルヘスの小説にこそありそうだが、現実ならば、きみが悪い。
また山田氏いわく「種本」だが、本の内容をそのまま書き写してはいない。「やちまた」を読んだのは、10年以上前のことで、手元にその本はない。山田氏は未読のようで、是非一読をすすめる。まことに端正極める文章
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