よねたみつひろ氏『鬱曜日には花を刈って』によせて/ふるる
 
の一部分が載せられています。

かんまんな幸福がつづいているが
このいまも何かを言わねばならぬ
すべてを与えられても まだ足りないものと
すべてを奪われても なお残されるものは
同じはずだから

「すべてを与えられても まだ足りないものと
すべてを奪われても なお残されるもの」
って何だろう?とうーんと考えて、思い当たったのは、よく芸の人や職人さんが「一生稽古」とか「(芸や作ったものについて)満足できるということはない」と言う、あれのことです。つまり・・・芸術や、何かを作るというのは、どこまでやっても「まだ足りない」かわりに、身に付いたものは「すべてを奪われてもなお残され
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