春の海鼠/ふくだわらまんじゅうろう
 
れるさ
だから泣かないで、この空をもう少し洗ってあげるから
これは人間の罪などではなくて人間に対する罪なのだから

誰が何と言おうと私は私なのだから
誰が何と言おうと君は君なのだ
だから太陽が西から昇って東に沈んでも
君まで沈んでしまう必要はないって寸法なのだ
そうさ。一番隅っこの席で独りで一杯やるのもいいさ
だけど便所では必ずド真ん中の便器を使用するのだ
勉強なんてしなくてもいいけれど本気で遊べ
本当に飛べる奴は飛べるか飛べないかなんてこれっぽちも考えたりしない
「小魚さ! そうさ! 《小魚クラブ》に入ればいいのさ!」
「だけどぼくにはそんな勇気はないさ」
「今以上
[次のページ]
戻る   Point(1)