私の目が赤い理由/光井 新
 
ました。私は窓を開けて、パンちゃんを外に投げ捨てました。そして昼間見たパンダの事もパンちゃんの事ももう忘れて、今度こそ眠ろうとしました。
 しかし寂しくなった腕がパンちゃんの事を思い出させ、どうしても眠れません。布団の中で私は、大切にしていたパンちゃんに何て酷い事をしてしまったのだろう、と後悔をしていました。

 私はお庭に出て、パンちゃんを探す事にしました。
 パパもママも寝静まった真夜中、一人で外に出るのは初めてだったので少し不安でした。私はドキドキしながら音を立てない様慎重に玄関のドアを開けると、何という事でしょう、ちょうど雲が流れて満月が顔を出しました。そして月明かりに照らされた枝
[次のページ]
戻る   Point(2)