短歌と文法、詩と文法/非在の虹
韻律や文法に使われてはいけない。使われてしまっては、本末転倒である。
子規ののち、多くの「詩人」がどういう韻律であればわたしは歌えるか、どういう文法であるならばわたしの思想は伝わるかを「歌人」であるべく、血を流してさがし求めた。
伊藤左千夫、島木赤彦、斉藤茂吉、土屋文明、白秋、啄木・・・。
釈迢空、近藤芳美、宮柊二、そして塚本邦雄、岡井隆、また俵万智・・・。
今、こうやって、まだまだ足りないと思いつつ名前を列挙して、僕の文章のみじめさを改めて確認させられる。こんなことを書いていないで、引用すればいいのだ、この文章を多くの近代歌人、現代歌人の詞華集として、僕はこのように書きたいものだ、と言え
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