永遠に帰するポエジー 〜蛾兆ボルカ「はちみつぶた」について〜/白井明大
 


第二連から第六連まで。父の《今夜は何が食べたいですか?》という質問に四歳の息子が《はちみつぶたがたべたいです》と答える部分で、息子のカタコトの言葉から幼さを取り払い、父が翻訳し直した言葉で返答は書かれる。たとえばこう。

 デザートは
 摘みたてのブルーベリーを乗せた
 ホットケーキがいいと思います
 全部食べたあと、
 ロウソクが残っていたら
 絵本を読んで下さい》

 「それが私の幸福です」

 って意味の事を
 カタコトで

 (第四連途中から第六連まで引用)

父と息子の会話において、息子のパーソナリティを純粋にすくいとるこの箇
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