分類される、箱詰めされる、そして僕等の元に届く。/岡部淳太郎
 
の中に本質があるのだろうか。いや、決してそうではないだろう。それらは便宜上このように分類されてはいるものの、それらの分類の中にはほんの少ししか本質を滲み出させていない。もっと大きな枠の「詩」という分類の中にも少し本質が滲み出しているが、元はと言えば、これらはみな「世界」がつくり出したものだ。それぞれの書き手がこれらの詩を書いたという事実はあるものの、人もまた世界の産物であるのだから、その本質のすべては「世界」の中にある。細かい分類や人のそれぞれの心や頭脳の及ぶ範囲を超えた「世界」の産物。だからこそそれらは生まれうるのだし、この世界の中で存続しうるのだ。だが、もしこれらの詩を書いた書き手が、分類され
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