分類される、箱詰めされる、そして僕等の元に届く。/岡部淳太郎
整理しようとも、世界の側は時にそんなことにおかまいなしにあるがままで存在してしまう。言ってみれば、人が世界に施す分類や整理というのは一種の虚構である。そのことに夢中になっている人は認めようとしないだろうが、やはり世界は人の手を離れてもそのままの姿で存在しうるのだ。
たとえばここに「詩」として分類され、さらにその中の細かいジャンルとして「近代詩」や「戦後詩」や「女性詩」として分類されたものがある。先ほども僕等が分類し整理し、箱詰めにして提供し、疑問なく受け取っていたものだ。これらのそれぞれに細かく区分けされたものの本質はどこにあるのか。それぞれの分類の中に、「近代詩」や「戦後詩」や「女性詩」の中
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