映画日記、ただし日付はてきとう3/渡邉建志
度観てごらん窒息するよ、やらしいんだから。近ごろこれほど映画にどろどろと監督自身がよろめき、楽しみ、酔いしれた映画を見たことがない。ワン・カット、そのシーンが美術写真。ワン・カット、そのシーンの主演者のポーズそしてマスクが芸術写真。こうなるとアレクサンドル・ソクーロフ、この監督の名が(映画の目)という印象を深めて忘れられなく、こんな映画ばっかり撮っている狂人かと思った。」
蓮實重彦いわく「よほどのことがない限り滅多には口にしたくないのが「天才」だの「傑作」だのといった言葉だが、アレクサンドル・ソクーロフの「日陽は…」のためになら、ためらうことなくそれを使ってしまってもよい気がする。そう、断言して
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