むしろ現代のはらわたとして/大村 浩一
飲み込まれていった。雑に言えば、
詩に限らず、すべての人やモノが即物的にカネに換算され評価され、たちまち使
い捨てられる、という現実を受け入れざるを得なくなった。
こうした社会の変化で、いちばんハゲシク(あるいはえげつなく)変化したの
が性に関する意識、あるいは問題だったように思う。かつてはタブーとして秘め
られていたものが自由になったは良いが、そこを男のケーザイにいいようにねじ
曲げられて、性の商品化といった事態を招いてしまった。
女性や社会弱者の立場から見れば、現代のこういった仕組みが新たな、そして
個人では抗し難い抑圧としてのしかかることになった。教育では男女同権を言
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