そのまんまのことば/白井明大
 
詩は不定型詩で、その定型・不定型の違いによって、写生によることばの妙味が変わってくるだろうか。

 変わってくるとすれば、それは、暗示性のつよさの差だろうか。
 字数のかぎられた俳句で、何が書かれ、何が書かれなかったかが意識される。もちろん自由詩であれ、何であれ、あらゆることばは、同じものを意識されるだろうけれど、十七音という限られた世界では、削ぎおとした言葉の何が残され、その残されたことばから、どこまで包含されようとしているか、が重きを占めることにはならないか。なるだろうと思う。けれどそれは、写生の働きを見ようとするところと、ずいぶん離れた話になってしまうだろうか。

 自由詩に
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