そのまんまのことば/白井明大
 
詩において、写生とはどうありえるだろう。字数の制約がなくなるとき、写生の効果は一見して薄まるのでは、限られた字数で表わされることばの緊張感を持たないだろうと思いつつ、それでもおそらく、本来の味わいは薄まらないことだろう。

 日本語しか知らないけれども、ことばの長短にかかわらず、あるふしぎな音と意味の関係をつくりだす言語だと感じていて、この日本語ということばを用いていると、やはり、字数の限りのあるなしにかかわらず、あることばに効果が生まれるような、そうした手法があるのなら、いずれにせよある、といったことに思える。

 ややこしくなってきたけれど、つづめて言うと、俳句の写生の味わいのよう
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