二千九年、LOVE/捨て彦
か」
「嫌、もう此方に向かッているらしい」
「… …橋田、チョット電球買ッてきてお呉れヨ」
「… ……」
「…嫌なのかい。」
「ものすごく睨んでいますネ(笑)」
「分ッた、分ッたよ。そんなに睨むなよ。マァまだ寿命が切れる事は無かろう。…併し、此の家もマァ色んな物が増えたよなァ。部屋の中が雑多過ぎてモウ訳がワカラン」
外から扉を開けると其所がもう会合の開かれている部屋である。部屋、と云ッても其所まで大層な物では無いが、此の部屋から更にもう一つ、奥にも部屋があり、其所には布団が幾つか敷いてあるので、酔ッて疲れた者は此方で休息をとる。
飲むこと意外に大勢で使われる事の無いこの平屋だが、人
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