二千九年、LOVE/捨て彦
られなかッた。
「芙蓉ちゃんは何飲む?」
ナンシイが奥のTableの上に置いてある袋に手を入れながら云う。
「私麒麟ラガアが好いわ」
「ハイヨ。んで、エーッと…」
「…小山です(笑)」
「ヘヘ…、小山さんは何が可い?」
「アタシ、お酒あまり飲めないので、… …橋田さんと同じ物を下さい」
小山は橋田の方を少し見て小さく挨拶をすると、橋田も多少動揺しつつ挨拶を返した。其れを見たナンシイは「アレ、橋田、なんでお前小山さんの事知ッてるんだヨ」と突ッ込みを入れる。そう云われてもう一度動揺する橋田がサキイカを食べるのを止めて小さく反論の言葉を紡ごうと口を開いた、其の枕に被せる様に小山がナンシイ
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