修羅を読む(10)/Giton
 
形山ですけど、その船形山だけでなくて、里から舟の形の山が見える場所にはどこにでもあった民間信仰ではないかと思うんです。
 古くさかのぼると、東北だけではなくて、近畿以西でも、古墳時代の埴輪に舟の形をしたものが多く出ていますし、銅鐸にも描かれています。いま、典拠を参照しないで書いているのですが‥‥駄文ですから、典拠を示して論じるのは他日を期したいと思いますが‥‥、この銅鐸は、たいへん面白いです。舟の上に、おおぜいの鳥(なのか、鳥の羽を頭に飾った人間なのか)が乗って漕いでいる絵なんですね。じつは、こういう意匠は、ベトナムのドンソン文化の銅鼓にも描かれていて、鳥や舟が、あるいは、舟に乗った鳥が、現世と
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