誰かが喋っている/竜門勇気
もうやめましょうよ。見せ掛けの詩的な単語と思わせぶりな文体に翻弄されるのは。
僕らの頭の中に無限数のチンパンジーがいてタイプライターを叩いてるなんてありえないんだから。
普通に誰しものなかに二つとない思いがあるのに、現代なんてもうやめよう。”今”でいいじゃないですか。
はるか未来に誰かがそこに詩情を見出せばいいじゃないですか。「詩」以上でも「詩」以下でもないただの詩を書きなさい。
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俺は、骨董品のワープロが背中のプリンターからこの手紙を吐き出すのを見るとつるつるした感熱紙
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