誰かが喋っている/竜門勇気
熱紙の手触りを楽しみながらタイムリプレイサーに投入した。
アナクロな変換サーキットを2009/03/05に合わせる。時間帯は運任せだ。うまくいけばいい、下手をしても今が書き換わったことを気づく術はないが。
もし一日でもずれてしまえばこの世界ではありとあらゆる文字を媒介とした娯楽は消え去ってしまう。
幾年前にこのずれの分岐を事象誤差解消プログラムのリハックから推測できた日には歓喜したものだが、今メッセージを送り終えた今では全てが夢のように感じる。
かつてwww.上で繰り広げられた文字と文字の衝突こそが未来永劫我らの文化の最も熱量を持った時期であったとメッセージを受け取る彼らは信じるだろうか。
今もって夢を見ることがある。俺は26歳、50年前まだ僕らに・・・
現代詩があったころ。
俺はビンの底に残ったウィスキーを飲み干して笑った。これなら誰に批判されてもフィクションだと笑い飛ばしてやれる・・・。
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