絶望についての対話(2)/Giton
 
汗を流し、日が上れば、体操場の庭に図形を画いて、問題を考えます。そして、午後から夜にかけて、文字を知らない商人のために手紙やら勘定書を書いてやり、こうして私の1日が終ります。
 私たちの体操場で教えているエラトステネスという人は、隊商がナイル沿いの旅にかかる日数を商人たちから聞いて、その距離を正確に計算し、これをもとに、この大地の球の一周の長さは233,333スタディアであることを計算しました。そして、サモスのアリスタルコスの述べるところに従って日食を観察し、月の大きさは大地の大きさの3分の1であり、その一周の長さは77,777スタディアであることを突き止めたのです。その日食がいつ起こるかという
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