生きることを肯定してくれる詩集 『ドストエフスキーの青空』/イダヅカマコト
筆を削らない
そうだ大久保さん松も竹も正月も
影から生まれてはいない
詩から生まれたのではない
人から生まれたのだ詩は
『初日』より}
と「詩は立つ人のすぐれた影」とはっきりと人への熱い視線が感じられます。
(もっともすぐれているのは、書き手や語り手ではなく大久保さんなのですが)
そして、この「生きる」ことへの視線がそのまま「人の生死」を語ろうとします。
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「長い間自然の森の中で生活していると/本当は『死』というものがないんだということが/よくわかってきます。」とドキュメンタリーで語るチンパンジー研究者に対して、『森の中に』という
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