死はどこへ言ったのだろうか 取り残されてあたりを見廻すと豊かな 森の中にないものが一つだけありました それは 悲しみです 森には悲しみがなかった わたしは再び見つけたのです 湿った杉苔の裏側で虫の死骸を見つけるように 悲しみの裏側に隠れていた死を 森にはない 森ではない、 人には悲しみが残ります いなくなったことを悲しむ人の 心の中に 死はやはりありました