革命前夜/手乗川文鳥
 
未だに不穏な前夜のまま。私は革命の予感溢れる夜の街をあてもなく歩き続けている

「あの頃の彼が好きだったバンドも歌ったでしょ、彼らの絆をウッドベースの4本の弦に例えたけれど、その後彼らは、あの4本の鉄線は始めからなかったよって歌ったし現に解散しちゃったし私もその彼と別れたし
「田舎だったからさあ、間接照明って言葉だけで恋をしてしまったのよ、まだ18歳だったし本当の意味で何も知らなかったし、
「いやだ、今私禄でもない言葉を使ったよね、そうだよね
「映画を一緒に観ると楽しい人、音楽の話をすると楽しい人、一緒に買い物すると楽しい人、一緒にお茶すると居心地いい人、勝手気ままに人間を振り
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