椿と虎とタルルル・タルナ/亜樹
とに した。
まず、どうどうと あるくことを おしえた。
つぎに きのぼり。
かくれんぼ。
かりだって おしえた。
くらいよるには、どんなふうに ほえたらいいか、タルルル・タルナ自ら おおきなこえで ほえてみせたりもした。
けれども、タルルル・タルナの虎もようの猫のぬいぐるみは どれひとつだって まんぞくに できやしなかった。
せっかく、タルルル・タルナがタルルル・タルナのおかあさんの 目を ぬすんで、だいどころから じょうとうな 牛の にくを もって来た時だって、ぜいたくにも タルルル・タルナの虎もようの猫のぬいぐるみは、一口だって たべなかった。
タルルル・タルナは ふまんだっ
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