椿と虎とタルルル・タルナ/亜樹
だった。どうしようもなく、いきどおっていた。
あるよる、タルルル・タルナは タルルル・タルナのおとうさんに、そのふまんを ぶちまけた。すると、タルルル・タルナのおとうさんは、わらって いった。
「それは、タルルル・タルナがよくないな」
「どうして?」
「タルルル・タルナの虎は、牛のにくなんてきらいなのさ」
そういうと、タルルル・タルナのおとうさんは いわに出て、まっ赤な椿の花を 一つ もいだ。その花は じょうとうな 牛の にくよりも ずっと 赤くて、それより ずっと うつくしかった。
それを ばくり!とタルルル・タルナの虎もようの猫のぬいぐるみは 食べた。
タルルル・タルナは ひどく まんぞくした。
こんなに きれいな まっ赤な 椿を、すこしも おしむでなく、タルルル・タルナの虎もようの猫のぬいぐるみは 食べてしまうのだ!
これは とっても どうもうな 虎だ!!
タルルル・タルナは、ひどく まんぞくした
でも ときどき、やっぱり 木に のぼってくれないかなと 思ったりもする。
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