とものさんの詩の魅力について。 /服部 剛
 
いの緊張感を秘め
た関係を表す巧い描写で、男の気づかないところで昔
の彼のキスをふいに思い出すという、女性の微細な心
理を描いている。そして、愛を交わす夜とテレビの中
の異国の戦争という情景も無意識に何かを重ねている
ような効果的な設定の情景描写である。 


  わたしたちは寒い部屋を暖房であたため
  やさしくぶつけあうようなセックスをする
  暴力をも愛しいと感じてしまうような床の上
  西の方では 住処を壊された人たちが
  手探りを繰り返しながら爆発音をきいている
  煙に凌辱され息もできないでいる 


 ここは歌でいうとある意味サビのような
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