クロスレット・シルバー  /いすず
 
、ちゃんと神に召されるといいね、ジョゼフィン」
少女が、抑揚のない声で、うん、といった。
それからたびたびふたりは落ち合った。
川べりまでくると、かのじょはたいていなにがしかの供物をささげ、おいのりをし、だまって千尋と肩をならべているのだった。

クリスマスのイヴまであと一日になったある日の夕暮れ、ふたりで川べりから戻ってくると、公園には少女によく似たひとりの若い女性が佇んでいた。
「羽鳥。ごめいわくをおかけしてすみませんとおあやまりなさい」
姉らしき女性は、少女を立たせていった。
「僕は、ただ案内していただけです」
「ジョゼフィンのお墓をつくっているところは、聞きました。羽鳥、
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