「冬のある日」 (リレー小説・三題噺)/佐藤犀星
 
る者などおらんだろう。こいつさえ見せれば議会の爺どもも黙らざるを……」
 ……あいつらは何を言っているんだ。わからない。グランシスとは違う連中なのか? 俺は騙されたのか?わからない、何も。どうしてこんなことになったのか。俺は普通の受験生で、いつものように寝るはずだったのに。

気づかぬうちに、幾つかの手足をこすりあわせていた。その音が耳障りだったのか、見張りの男が苛立たしげに格子を殴りつけた。
「もうすぐ着く。おとなしくしておけ!」
なんだ。どこへ行くというんだ。俺の星は。地球はどこに行ったんだ!?
俺の戸惑いを嘲笑うかのように、見張りの男が顔を寄せてきた。
「中尉から聞いたんだが
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