「冬のある日」 (リレー小説・三題噺)/佐藤犀星
 
だが、お前等も地球だなんて名付けてるらしいじゃねえか。害虫の分際で、お笑いだぜ」
 何かとんでもないことになったのはわかった。いや、俺が、この俺がとんでもないことをしてしまったのか!

「おい、見ろよ」
 そのとき、見張りの男が少年のように弾んだ声を出した。指差したほうを見る。そこに輝いていたのは。
 薄汚れた黒茶色の大気の底に沈んだ、俺たちの星とはまるで違う──青くしたたるような水の惑星だった。(モリ・2回目)





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