「冬のある日」 (リレー小説・三題噺)/佐藤犀星
 
息をついた。と、同時に妙に背筋が寒くなる。
 よし。炬燵いこ。俺は炬燵に入ることにした。
 ラスボスが倒せない・・・。俺は、ゲームの電源を切り、新聞を見ることにした。人生諦めが大切だよな、うん。・・・自問自答を繰り返す高校3年、どうなんだ。
ふっと、黒い影がかさっと動く。俺は、一瞬にして手元にあった新聞紙を丸めた。(波栖・1回目)

 思わず叫びそうになった。歩けばじゃり、じゃり、と煎餅や何やらのカスを踏む汚い部屋だ。言葉にしたくもない害虫や新種のきのこが育っていてもおかしくはない。
 しばらく待っても、新聞紙を握りしめた俺の耳に届くのは時計の針が休まず歩む音だけだ。でも、なんだ…この
[次のページ]
戻る   Point(1)