ディストピア。眼の誕生!/瓜田タカヤ
 
ぶつかり、度に黒煙のビールがこぼれる

笑う人間ははしゃぎ美味しい肉を美味しいと言って囓る

自殺したがる人間が、明後日発売される購読中の少年漫画の事を忘れるきっかけは
親が人間だった事実を、堆積する日常で快活に焼き印されたから

彼は地獄にも天国にも辿り着かない
宗教は強烈な安堵(それはドラッグの美醜の改変と同じ全能感を所持し)
を打ち付けるのと引き替えに 彼にとって輪郭のない華奢の頭部を
格好良く蹴り抜く崇高も所持できた

死の最後は無と
グラスから零れる少しだけの泡のような
思い出が隣人の電気信号の配列にこびり付く

マリファナを育てている職業を持たない男は
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