敬愛する遠藤周作先生への手紙 〜神戸旅行記〜 /服部 剛
の旅人でありました・・・こんな僕には行き着くところ・・・この人生の歓びと哀しみの全ての想いを凝縮して、一篇の詩を書く以外に、道は無いのです・・・心貧しい者である私が、あなたの望みを生きる詩人となれますように・・・と、僕は幼年期の遠藤先生とお母様が過ごした家のあった場所で、消えること無い「家庭の灯」を思い浮かべながら、跪き、一心に祈った旅の最後の場面を、生涯忘れることはないでしょう。
最後に、新年の初めの日に一番歓びを感じたことをここに記しておきます。僕は今年の春頃に詩集「 Familia 」という本を出します。その題の意味することは、この人生という、いつか夢になるであろう地上の日々の記憶
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