真っ白氏/K.SATO
む瞼。触れてみた頬に、ああ、僕が死んでいるかのように冷たい。寝不足で、日頃体の中を血液が循環していないのだ。マツゲにはべっとり涙の傷。口の膜は殴られたときの。「俺はライターになるのだ」と、まだ周りに主張していた肉の饒舌さが骨にのっている、うっすらと。
朝の子供たちがきらめく好みのキッチンに。ざっくばらんなふれあいが楽しかった、見かけた女の子。再生ボタンから流すビデオでアダルトな僕に、ヒゲづらの女優がアングルやシナリオを見つめ直す。いくつものモザイクの、影もテレビもない光のブラウン管の中に、ピースが四角く入っていた。
ワオ〜ンと、声がむこうの路地から。うっすら/色濃く妄想は重なれど、本当
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