スワロフスキーの夜/エスエル1200
言った。
うん、と僕は相槌を打った。
「けれどほら、私達スターマンだから。」
そう言うと金星人は溶かしたホワイトチョコレートと先ほど削り出したばかりの月の光とを混ぜ合わせた。
その手さばきで眩い光の弧が何度もはじけて消えた。それはある種の芸術のように思えたし、新しい星が生み出されるときに生ずる煌めきのようにも思えた。
それが終わると冥王星から取り寄せた特殊なアイスメーカーでもう一度凍らせた。
土星人が人差し指で光の塊をすくい味見をし「大丈夫だ。」と言うと、
皆が同じように作業をし、それらは瞬く間に競技用のプールの何百杯分かになった。
我々の作業場の辺り一帯がキラキラと光を帯びて輝い
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