書くこと、まどろむこと、決めること/渡邉建志
 
op48-2が、それだけでぽろぽろと生まれ出ただろうか。

海のそこで、火山活動が起こって溶岩が流れ出ているうちに、そこからときに爽やかな泡立ちが生まれていくように。
わたしはその泡立ちだけをみて、夢見ている。

夢の生成。言い換え、いいよどみ、言いなおし、語りなおしていくうちに、その語られているようなものに対する、わたしの頭の中でのイメージが少しずつ変形していき、
最初に言われたときのイメージの残像とふしぎな共鳴をしながら複数の、無限の境界線をその周りに纏っていく。
ルドンがパステルを紙の上に何度も行き来させるときの、曖昧なライン。
あるいは、パステルの線を手や筆でぼやかしていく
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