公園/水町綜助
いるのだった。
一人の男の子が急に立ち上がって公園の入り口まで駆けだした。
入り口まで来たところでくるりと振り向いて、柵に前のめりに寄りかかり、まだ砂場で遊んでいる一番年長らしい体の大きな子に向かって叫んだ。
「さかがみゆうくん!」
一生懸命砂の山を固めていた少年が顔を上げ、その男の子の方を見た。
「なに?」
男の子は柵に預けた体をもじもじと動かしながら答える。
「僕もう帰っちゃうよ。でもいやだったら追いかけてつかまえてもいいよ」
年長の少年は男の子を見たまま何かを考えていた。
男の子がもう一度言う。
「遊びたかったら追っかけてきてつかまてもいいけど」
男の子は恥ずかしそうに
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