物語詩「塔と鳥とクレヨン」-first wing-/青の詩人
 
けれど
少し違う色をしていた

こっちを向いているから
裏側まではのぞけなかった

2、アモールムーン

クレヨンで描いていた
白しか使わなかった
僕だったが
月が
描きたくなった
鳥のことは忘れて
月を描いた
その夜があまりに美しかったから

そのときもこころは隣にいたが
そわそわ うろうろして
なんとなくいつもと違う感じがした

初めて
白以外の色を使った
その色を
アモールと名づけた

こころは
窓をじと見つめ
羽をばたつかせた
その瞳が
いつになくまっすぐに思えた

何かが崩れる予感がした
塔かもしれないし
アモールのクレ
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