剥ぐ者/影山影司
でどれほど「金」に意味があるのかと思うが、なぜか建造物の内ではいまだ有効なのだった。特に部下のハンターが送ってくれる物品は上級層の連中に酷く喜ばれた。おかげで僕は上等な部屋と、無限アクセス権を頂戴しているという訳だ。
ハンターが送ってくれたものはもう一つある。
ポケットに放り込んだ、カプセルを指先で転がす。これは、僕が彼らに頼んで作ってもらったものだ。ある種これは、世界中の何よりも貴重だった。
長い時間をかけてようやくエレベータは停止する。最上階、そして最底辺。ここはいわゆるサロン的な目的で作られた箇所だ。実用性はまったく無い。ちょうど熱帯植物を育てる温室のようになっている。細いフレー
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