詩のふもとへ問いを発する前夜に/白井明大
 
金儲けに走ってはいけない、地に足をつけて暮らすのだ、とは今後多く目にすることかもしれません。それと歩を同じくするように、第一次産業の大事さがいわれるということも今後増すのだと思います。
 このどちらも大事だと思いますし、食糧のことは、経済の動揺とはべつの流れで取り組みの必要がいわれてきたことでもあるようです。

 ただ、大事だとはいえ、問題の中心がそこにあるかというとあまりそうには思えず、上に引用した「何故ひとは」という問いのほうに引きつけられるのです。

 金融や経済の分析では答えに届かないこの問い、詩はどう答えるのでしょうか、そもそも答えられるのでしょうか。

 このことこそ「い
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