昨日は孤独な世界?/錯春
毒づきながら、ブスブスと何かが焦げ付くのを感じる。
傷つくのは誰にでも等しく与えられた権利だから、それを使ってストレス発散しようというなら、好きなだけすればいい。
でも、アンタタチがいつまでたっても同じような悩みで、電波に悲劇を乗せているのは、ひとえに真剣ではないからだ。
今回の電話だって、友人が本気で悲しんでいたとしたら、リマは電話なんかやめて、居酒屋へでも誘っただろう。
だが、その悲しみも、ロクシタンのボディクリームを塗ってうっとりすれば、すぐに跳ね除けられたりするんでしょう?
リマの住んでいるアパートは築40年で、傾いた階段の下には、いつも猫餌が詰まった歌舞伎揚げの缶
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)