昨日は孤独な世界?/錯春
 
に会わせるために、彼女をここに呼び出したから。
少年は、足元の白っちゃけたカルシウムの塊に視線を落とすキヌホに、じっと目を凝らす。

キヌホは、考える。
(とっくの昔に、少年が背後に立っていることに気付いていた)

死体の持つ、ネガティブでパワフルなインスピレーション、そして衝撃。
死体との遭遇で、壊れてしまうことは、少女にとってふさわしい破滅かに思えた。

(だが、あらかじめ予測できた流れを自然と呼ぶならば、彼女が直面した事実は、破滅ではない。
希望、もしくは純粋な哀願。
しかし、それはあくまでも「ふさわしい」枠組みである。

そして、名前は必ずしもふさわしくある必要は
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